2005年5月18日水曜日

学力低下と総合学習のアンチテーゼ

■□■□ 火曜日は【社会や思想系】 ■□■□

2本目は真面目です。
「関東7」(※1 備考参照)の「下野新聞社」が掲載した「総合学習についての意識調査」を取り上げます。
『総合学習、親の半数評価 日本PTA全国調査』#2006/6/27リンク切れ 共同通信ニュース

総合学習(※2)。2002年にゆとり教育の総仕上げとして開始されたこの科目、ご両親の評価は概ね肯定的だそうです。その内容はというと「子どもたちが各教科等の学習で得た個々の知識を結び付け、総合的に働かせることができるようにすること」を目指しており、基本的に自由。地域の名人を呼んでみたり、ボランティア活動を行ったりと非常に賛同できる科目です。

さて、ゆとり教育が導入されて以来、学力低下が問題視され学習時間を元に戻す話が上がっている昨今、この事象をどう読み解けばいいでしょうか。



予備校での体験
学生時代の話なので1990年代になってしまいますが、学校の授業はさほど面白くなかった気がします。「当たり前だ。勉を強いると書いて勉強じゃないか」と思われるかもしれませんが、当時通った予備校の授業は面白かったのです。週刊誌でも取り上げられた熱血講師だったらしく、無駄にエキサイトしてました。つまらなそうな顔をしている生徒をみつけると

鼻毛を抜くんじゃない!今ピクっとしたろ!

と言いながら自分の鼻毛を引っ張るセンス。
毎回TVアニメを見ているようなエンターテイメント性でした。
引き換え、学校の授業のほとんどは教科書の内容をやや詳しく記した黒板をノートに書き取るというもの。
草むしりを強いられるJRの日勤教育と違いがあるでしょうか?
給料をもらって教師という仕事をする以上接客業であり、教えられる技術があるのは前提です。そこで生徒たちに聞いてもらう努力をすることが向上心のある教師とは考えられませんか?(※3)
学習時間の長さよりも、密度が重要と考えます。

教科について
総合学習が導入され、さらに学習時間が減ってしまったと懸念される方もいらっしゃることでしょう。しかしながら、ボクは総合学習について賛成です。むしろ、教科についての見直しを更に図るべきではないかと考えます。
「必要なはずなのに存在しない教科」
常々疑問に思うのですが、なぜ義務教育、学校教育には「法律、刑罰」と「金銭感覚、経済」がないのでしょう。不思議ではないですか?
昨今、幼女誘拐等の欧米並みの快楽殺人が増加しています。犯罪社会学的に言えば、犯罪はなくならないものなのですが、抑止力としての刑罰、社会が法律で定めた善悪に関して、全国民が一通り勉強することは必要だと思うのですがどうでしょうか。
「えー、それってそんなに悪いこと(犯罪)だって知らなかったよ!」と軽い気持ちで犯罪を犯している人は少なくないはずです。もしくはきっかけは知らずに犯した犯罪があり「一度やってしまったんだからもう関係ないや」と考えることもあるでしょう。
難しいことではありません。つまり法律は国が決めたルールです。なぜぼく達はルールを学ぶ機会がないのでしょう。大人になってから2次方程式を学ぶのは大変なように、今から法律をかじるのは相当大変ですよね。
「春はあけぼの・・・」よりも「営利、わいせつ又は結婚の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。」を叩きこまれたほうが立派な社会生活を送れませんか?


延々と書いてしまいそうなのでまとめ
■まとめ
・総合学習はイイ作戦だった。
・学習時間を増やすんじゃなくて、教師を予備校で研修させろ。
・社会に即した教科にせい
賛同者が増えればみんなの意識が変わり世論が動きます。
世の中の問題は子供に責任はなく、力を持つもの、影響力を持つものにあるのです。
目を逸らしちゃダメ!


■備考
※1 「関東7(セブン)」関東7県の地元新聞社が協力した情報サイト。
※2 総合学習の定義
1) 地域や学校、子どもたちの実態に応じ、学校が創意工夫を生かして特色ある教育活動が行える時間
(2) 国際理解、情報、環境、福祉・健康など従来の教科をまたがるような課題に関する学習を行える時間

※3 おじ2人が元教師、教授でした。教師を批判する意味はなく、至極冷静な問いかけです。

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